Core Web Vitalsが悪化したとき、最初の30分でやること
Core Web Vitals(LCP/INP/CLS)が悪化したとき、最初の30分で「対象固定→フィールド/ラボ分離→直近変更→戻す/直す優先順位」を決める手順です。
Core Web Vitals(CWV)が悪化したとき、最初にやるべきことは「改善案を考える」ではなく「“どの指標が・どの端末で・どのURL群で・いつから”悪化したのかを15分で固定する」ことです。CWVは“実ユーザーの体感”なので、計測(ラボ/フィールド)を混ぜると判断がブレます。最初の30分は、原因を当てにいくより「触る順番」を決めます。
0. まずやらないこと
- いきなり全ページの画像を一括で差し替える
- 不明な最適化ライブラリ/プラグインを衝動で入れる
- 広告/計測タグを大量に追加・削除する(影響範囲が広い)
- “スコアだけ”を見て、直近変更を無視して手当たり次第に触る
CWVの悪化は「本当に遅くなった」だけでなく「計測の見え方が変わった」でも起きます。まず“対象と期間”を固定します。
1. どの話かを固定(5分)
最低限、次をメモに残しておきます(後で迷わないため)。
- 対象ドメイン
- どのURL群か(全体 / 特定ディレクトリ / 特定テンプレート)
- どの端末か(モバイル / デスクトップ)
- どの指標か(LCP / INP / CLS)
- いつからか(デプロイ/設定変更と結びつけられる粒度)
ここが固まらないと「直したつもりで別の問題を触る」になりがちです。
2. “フィールド”か“ラボ”かを切り分け(5分)
CWVは原則フィールド(実ユーザー)ですが、調査にはラボ(診断)も使います。混ぜずに役割を分けます。
- フィールド(実ユーザー): Search ConsoleのCWVレポート、CrUX(Chrome UX Report)
- ラボ(診断): PageSpeed Insights / Lighthouse
まずはフィールド側で「悪化が本当に起きているか(ユーザー体験として悪化しているか)」を確認します。
3. 直近変更を“候補”に入れる(5分)
多くのCWV悪化は、直近変更と関係があります。最初の30分は“犯人探し”ではなく、候補を並べます。
- 画像(ヒーロー画像の差し替え、サイズ未指定、形式変更)
- フォント(Webフォント追加、preloadの追加/削除)
- JS(分析/広告/チャットなどのサードパーティ追加)
- レイアウト(ファーストビューの構造変更、骨格の読み込み順)
- キャッシュ/配信(CDN設定、圧縮、HTMLキャッシュの当たり方)
「この変更は戻せるか(ロールバックできるか)」も一緒に確認します。
4. “まず戻す”が最速な条件(5分)
次の条件が揃っているなら、最適化より先に“戻す”が最速です。
- 悪化の開始がデプロイ/設定変更と一致している
- 悪化が広範囲(多数URL)で再現している
- 直近変更が1〜2個に絞れている
- 戻してもビジネス上の致命傷がない(表示崩れ/計測停止などを避けられる)
戻して改善するなら「原因がその変更に近い」ことが確定するので、次の1時間の作業が直線的になります。
5. “直すなら何から”の優先順位(10分)
最初の30分で、次の優先順位で“当たりやすい”ところから当てにいきます。
LCPが悪化しているとき
- ファーストビュー画像のサイズ指定(
width/height相当)と圧縮/形式 - 画像の読み込み優先度(必要なら先読み、不要なら遅延)
- フォントの読み込み(表示ブロック/FOIT回避、無駄なウェイト削減)
- サードパーティ(広告/計測/ウィジェット)を初期表示から外せないか
INPが悪化しているとき
- 直近で入れたサードパーティJS(広告/分析/チャット)を疑う
- クリック/入力に重い処理を載せていないか(初回のみ/毎回)
- 初期表示のJS量が増えていないか(不要なクライアント化)
CLSが悪化しているとき
- 画像/広告枠の予約(高さ未固定で後から押し下げていないか)
- フォント切り替え(レイアウトが動く設定になっていないか)
- 遅延読み込み要素がレイアウトを押していないか
6. 30分で出す“結論”の型
最初の30分で、次のどれかに分類して次の作業を固定します。
- 対象が明確(URL群/端末/指標/開始時点が固定できた): 直近変更と照合し、ロールバック or 1点修正を最短で当てる。
- フィールドの悪化が不確か(計測/期間が曖昧): まず計測の見方を整え、対象を固定する作業に戻る。
- 原因候補が多すぎる: 影響が大きい順に、可逆な変更から検証する(戻せるものを先に触る)。
この分類ができれば、次の1時間で“当たりやすい修正”だけに集中できます。
SiteOpsで“悪化の検知”を早める(再発防止)
CWVは悪化してから気づくと復旧が遅くなりがちです。次からは「悪化が始まったタイミング」をすぐ特定できるようにしておくと、手戻りが減ります。
- 複数サイトの主要シグナル(Search Console / 収益 / 変更履歴)を“見る順番”で固定する
- 直近変更(デプロイ・設定)と数字の急変を結び付けて見られるようにする
状況が複雑で切り分けが難しい場合は、相談だけ先に進めるのも有効です。
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参考にした一次情報
- web.dev: Core Web Vitals
- Google Search Central: Core Web Vitals report
- PageSpeed Insights
- Chrome UX Report (CrUX)
この記事を書いた人
川原
SiteOps編集チームの公開窓口として、検索、アクセス、収益データをもとにした運営判断の知見をまとめています。
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